キャッシュマネジメントを考える
- toshikato
- 2016年6月13日
- 読了時間: 2分
売上が順調で損益計算上利益が出ていても、カネがショートして「勘定合って銭足らず」で倒産状態に陥ることがあります。そうならないために、経営者は日頃どのようなキャッシュマネジメントを心掛ければよいのでしょうか。
1.キャッシュ・コンバージョン・サイクルという経営指標を活用する 買掛でモノを仕入れて、在庫し、売掛でモノを売っている会社で考えてみましょう。在庫期間が長ければ、カネを払うタイミングの方がもらうタイミングよりも早くなります。この“ズレ”の期間をCCC(Cash Conversion Cycl:現金化日数)と呼びます。式で表すと、「CCC=売上債権回転日数+棚卸資産回転日数-仕入債務回転日数」となります。キャッシュマネジメントでは、CCCを何とか小さくして、できればゼロ、そしてマイナスに持っていけないかと考えます。
2.改善の方向性 (1)取引先に目を向ける 取引先との間で、①売上債権回転日数を短くして代金支払を早くしてもらう、②仕入債務回転日数を長くして代金支払を後にしてもらうよう取引条件を変えるやり方があります。しかし、長い目で見れば、自分にハッピーがあっても相手にハッピーがないことを強要するのは好ましくないと思います。
(2)自社に目を向ける 自社に目を向けた場合、やれることは2つあります。1つは、売れるものだけを在庫として持ち「早く売る」ことによって棚卸資産回転日数を短くするのです。まさに、カンバン、JIT(Just In Time)の考え方です。もう1つは、売上債権や仕入債務の日ごとの動き(ブレ=標準偏差)を見て異常値を排除することによってCCCを改善するのです。①売上債権のブレが大きい場合には回収業務がずさんなのではないか、②仕入債務のブレが大きい場合には売上や在庫の状況とは関係なく仕入れが行われているのではないか、といった排除すべき問題点が見えてきます。
CCCは、運転資金の管理に有用な経営指標です。日頃のキャッシュマネジメントに活用してみましょう。
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