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在庫の見方

製品在庫、期末棚卸高、棚卸資産などさまざまな表現を使って貸借対照表に計上される「在庫」とは、決算時点で持っている商品の価値を意味します。つまり、「今は在庫として持っているけれども売れたらいくらになるか」を教えてくれます。しかし、この数字には別の見方もあります。今回のコラムでは、在庫という数字から何を読み取ることができるかについて考えます。

1.予測力 在庫は、“販売予測(売れるだろう)”から“売上高(売れた)”を引いた差、つまり販売予測の誤差と考えられます。従って、この誤差が小さいほどその会社の予測力は高いといえます。予測力の高さは、「売れるものを、売れる量だけ、売れる時期に買う、作る」というJIT(Just In Time)と表現することもできます。

2.スピード 在庫は、「売りたい」と思ってから商品を作ったり買ったりするまでのリードタイムの長さに依存します。従って、在庫量が少なければ、商品調達や商品生産のスピードは速いといえます。スピードの差は、ロスの減少や商品の新鮮さ、キャッシュフローの増加といった効果を生みます。

3.マネジメント力 在庫のブレを月ごとに見ると、その会社のマネジメント力が分かります。つまり、在庫量がバラつく企業は、マネジメント力が利いていないといえます。特に月末や年度末に大きく変化(売上高が大きくなり商品在庫が減るなど)する企業は、現場がとりあえず目標を達成するために無理な販売をしていることが考えられます。

4.予測という使い方 在庫を使った経営分析の指標では、効率性を意味する回転率という言葉を耳にすることが多いと思います。しかし、今回紹介した予測という使い方も知っておくと、分析の幅を広げることができます。今回のコラムが皆さまの経営のお役に立てれば幸いです。

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